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ウイルス作成は犯罪です
いかなる理由でも、ウイルスを作成してインターネット上にばらまくことは犯罪となります。ウイルスに感染すると、「コンピュータの動作が不安定になる」「大切なデータが消去される」「ホームページを攻撃していく」などといった被害が出ます。
独立行政法人 情報処理推進機構セキュリティセンターが発表した「国内・海外におけるコンピュータウイルス被害状況調査」によれば、ウイルスの被害総額は毎年100億ドル以上という結果が出ています。
ウイルス作者は世界各国で摘発されています。最近では日本でも逮捕者が出たことから、法整備も着実に進められています。
ワーム型ウイルス「Melissa(メリッサ)」
1993年3月に登場し、電子メールソフトであるOutlookを利用して世界規模の感染を引き起こしたウイルスがMelissa(メリッサ)です。作者はアメリカのニュージャージー州に住むDavid L.Smithという30歳のコンピュータプログラマーです。
「なりすまして」投稿
このウイルスがはじめに出たのは、メールによってではなくネットニュースへの投稿によるものでした。FBIが投稿に使われたメールアドレスを調べたところ、不正に「なりすまして」投稿したことが明らかとなり、プロバイダからの情報提供で逮捕となりました。
2002年5月に20ヶ月の禁固刑と5000ドルの罰金刑が言い渡されました。
卒論にウイルスを提出「LoveLetter」
2000年5月に登場した「LoveLetterウイルス」は、世界的に大流行し、ウイルス被害総額も当時過去最高を記録しました。
AMAコンピュータ単科大学という大学から提出された資料から、Onel de Guzmanという23歳の元学生がLoveLetterウイルスと非常によく似たプログラムについての卒業論文を提出し、不受理になっていたことがわかりました。
Onel de Guzmanは逮捕され、不注意によってウイルスを発信してしまったと述べています。その後も捜査は続き、LoveLetterウイルスの発信に関与したとされる容疑者を10人割り出しています。ただし、法整備が間に合わずに不起訴処分となり、無罪放免となっています。
イスラエルの高校生が作成「GONER.A」
2001年12月に登場した「GONER.A」というウイルスは、メール感染型のウイルスで、感染するとウイルス対策ソフトを削除するといった被害があります。このウイルスの作者はイスラエルに住む4人の高校生で、自分たちのライバルグループのサイトにDDOS攻撃を仕掛ける目的で作成したもようです。
逮捕されるきっかけは、「GONER.A」のデータの中にハンドルが埋め込まれていたことや、チャット上でウイルス作成を自慢していたことなどが挙げられています。
ネットワーク型ウイルス「MSBlast」
2003年8月には「MSBlast」というネットワーク型のウイルスが流行しました。このウイルスでは、2人の逮捕者が出ています。1人は「MSBLAST.B」という亜種を作った18歳の少年で、もう一人は「MSBLAST.F」という亜種を作ったルーマニアの24歳の大学院生です。
オリジナルの作者は逮捕されていませんが、興味本位でちょっとファイルを改変しただけでも、非常に重い罪が問われる可能性があります。
国内で初めてのウイルス作者逮捕 アニメ「CLANNAD」の静止画入りウイルス
2008年1月には、アニメ「CLANNAD」の静止画入りウイルスを権利者に無断で作成し、「Winny」を通じて送信できる状態にしていたとして、著作権侵害で大阪府の大学院生が逮捕されました。
日本でのウイルス作者の逮捕は初となります。そして、ウイルス作成を直接処罰する法律は整備されていないため、著作権法違反の適用となりました。
このウイルスの挙動は亜種によって異なりますが、PC内のファイルを削除したり書き換えたりするという被害が報告されています。
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