プロトコルの世界標準とOSI参照モデル

プロトコルの世界標準とOSI参照モデル

コンピュータで通信をおこなうには、それぞれのネットワークコミュニティが同じ通信プロトコルを使用しなければなりません。それぞれが独自の通信プロトコルを使っていては、通信することは不可能です。

 

そこで必要となってくるのが、世界共通となる標準の通信プロトコルの存在です。これは既に規定されており、OSI参照モデルとして呼ばれています。OSI参照モデルとは、Open System Interconnectionの略であり、開放型システム間相互接続ともいいます。ISO(国際標準化機構)などが中心となって作り上げられた通信プロトコルの標準モデルになります。

 

OSI参照モデルの層構成と機能

 

・アプリケーション層・・・ユーザーが実際に利用する通信のアプリケーションに関する規定
・プレゼンテーション層・・・ユーザーが扱うデータの形式と通信に適している形式との交換に関する規定
・セッション層・・・データ伝送経路に関する規定
・トランスポート層・・・情報の欠損時の対処法など、通信の品質に関する規定
・ネットワーク層・・・ネットワーク間の通信のやり取りに関する規定
・データリンク層・・・接続するコンピュータ間でのやり取りに関する規定
・物理層・・・データを伝送するためのケーブルやコネクタの規格、信号の方式などに関する規定

 

OSI参照モデルは、上の通りにプロトコル全体を機能別に分類して、区分ごとにまとめられています。規定しておかなければならないことが非常に多いので、このような方法を取っているのです。1つ1つのまとまりを層、レイヤなどと呼びます。1つ1つの層は独立しているので、問題が起こった際にある層を修正しても、他の層を変更する必要はありません。

 

OSI参照モデルのような標準のプロトコルが1つあれば、世界中のネットワークコミュニティ間で通信が可能となるわけです。ただし、OSI参照モデルの内容はかなり複雑になっている為に、これを基に作られたプログラムは処理が遅くなってしまいます。これを解決するために、様々な組織、団体、メーカーが実際の通信に適した通信プロトコルを開発しています。TCP/IPというものがありますが、これがインターネットの標準の通信プロトコルとなっているのです。

 

プロトコルの世界標準とOSI参照モデル関連エントリー

通信とはどのようなものか
通信とは情報の移送であり、二者の間で情報をやりとりするというものです。最近では、通信といえばコンピュータ通信を指すことが多くなります。
通信には仕組みが必要
通信を実現するには、通信の当事者(コンピュータ)を結びつける媒体が必要になります。通信プロトコルもコンピュータ通信の仕組みの1つです。
通信プロトコルとはどのようなものか
通信プロトコルの策定とネットワークコミュニティの関係について解説しています。インターネットの基礎的な部分でもあります。
通信プロトコルに必要なものとは
通信プロトコルを実現するためには、細かく定められたさまざまな規定が必要となります。コンピュータ通信では、人間と同じような通信はできないためです。
プロトコルの世界標準とOSI参照モデル
通信プロトコルにも世界標準があります。OSI参照モデルと呼ばれるもので、世界中のネットワーク間で通信が可能になります。
通信プロトコルの動作
通信プロトコルがどのようにして動作するのかを簡単に解説しています。複数の層がそれぞれ独立したプログラムで動いています。
TCP/IPはインターネットの標準通信プロトコル
インターネットでは、TCP/IPが標準の通信プロトコルとして扱われています。電子メールの送受信に必要なSMTPやPOP3なども登場します。

通信プロトコルにも世界標準があります。OSI参照モデルと呼ばれるもので、世界中のネットワーク間で通信が可能になります。

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