通信プロトコルに必要なもの
ここまで通信プロトコルとは何かを説明してきましたが、通信プロトコルを実現するためには多くの規定が必要となります。通信で情報を送り受けする場合、送り受けすべき情報の規定、信号の形式、送り受けの手順を規定していなければ、その情報がどこからきて誰に宛てられたものなのかを知ることができません。
そして、情報の全体像の規定も必要となります。これは、どこからどこまでが送り受けされるべき情報なのかということを認識してなければ、受け取る側は正確にすべての情報を受け取ることができなくなってしまうためです。
他にも、
- 送り側がどのようにして通信の開始を知らせるのか
- 通信が終了したことをどのようにして伝えるのか
- 送信された情報が破損していた場合は、再送信を要求するのか、そのままにしておくのか
などを詳細に規定しておかなければなりません。通信プロトコルのプログラムは、このような規定から作られます。
人間同士の通信、例えば電話などの場合は、途中で音声が途切れるなどの障害が発生しても臨機応変に対応ができます。しかし、コンピュータではプログラムに組まれたことしか実行、処理しないので、起こりうるすべてのパターンを予測してプログラムを組む必要があります。
滞りなく、快適な通信を実現するためには、どのような場合にも対処できるようにして規定を作り上げていきます。
通信プロトコルに必要なものとは関連エントリー
- 通信とはどのようなものか
- 通信とは情報の移送であり、二者の間で情報をやりとりするというものです。最近では、通信といえばコンピュータ通信を指すことが多くなります。
- 通信には仕組みが必要
- 通信を実現するには、通信の当事者(コンピュータ)を結びつける媒体が必要になります。通信プロトコルもコンピュータ通信の仕組みの1つです。
- 通信プロトコルとはどのようなものか
- 通信プロトコルの策定とネットワークコミュニティの関係について解説しています。インターネットの基礎的な部分でもあります。
- 通信プロトコルに必要なものとは
- 通信プロトコルを実現するためには、細かく定められたさまざまな規定が必要となります。コンピュータ通信では、人間と同じような通信はできないためです。
- プロトコルの世界標準とOSI参照モデル
- 通信プロトコルにも世界標準があります。OSI参照モデルと呼ばれるもので、世界中のネットワーク間で通信が可能になります。
- 通信プロトコルの動作
- 通信プロトコルがどのようにして動作するのかを簡単に解説しています。複数の層がそれぞれ独立したプログラムで動いています。
- TCP/IPはインターネットの標準通信プロトコル
- インターネットでは、TCP/IPが標準の通信プロトコルとして扱われています。電子メールの送受信に必要なSMTPやPOP3なども登場します。