ディレクトリサービスと通信プロトコル
ネットワークに接続しているコンピュータでコミュニケーションを行うためには、何らかの識別情報で個々を特定できるような仕組みになっていなければなりません。
分かりやすい例えでは、電話やFAXでは電話番号が識別情報となっており、郵便システムでは住所が情報となって配達が可能となっています。
インターネット(TCP/IPネットワーク)では、IPアドレスが識別情報となっています。相手を特定するための情報がIPアドレスというわけです。
ただし、それぞれのコンピュータが、インターネットに接続されているすべてのコンピュータのIPアドレスを保管することはできません。しかも、接続しているコンピュータの状態が変化するのに伴ってIPアドレスの状態も常に変化するため、その内容を更新していかなければならなくなります。
インターネットのような膨大な参加者が常に変化していくようなネットワークシステムでは、利用者の識別情報を統括的に管理し、各利用者は通信相手の識別情報が分からないときは、保管者に問い合わせて情報を入手できる仕組みが必要となります。
インターネットでは、IPアドレスのデータを保管し、管理するサーバーコンピュータに問い合わせを行って、IPアドレスを入手するようになっています。このように、IPアドレスを調べ出す仕組みのことをディレクトリサービスと呼んでいます。
IPアドレスの他にも、ユーザー名、メールアドレス、共有プリンタ名などのネットワーク上の情報を一元的に管理しています。
インターネットでIPアドレスを調べるためのディレクトリサービスの通信プロトコルには、DNSやLDAPなどがあります。クライアント側からの要求(問い合わせ)に対して、サーバー側が応答しています。
ディレクトリサービスと通信プロトコル関連エントリー
- ディレクトリサービスと通信プロトコル
- ディレクトリサービスとは、ネットワーク上の資源とその属性とを記憶し、検索できるようにしたシステムです。IPアドレスを調べ出すための仕組みともいえます。
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